Methodology
評価手法(Methodology)
PPI / RVI / FunctionScore の算出ロジックを完全公開
本ページは Cosme Forensics Men の評価指標の技術ドキュメントです。 読者向けの概要はPPI スコアとはをご覧ください。 本ページでは「再現性」「透明性」「PMID 参照」を軸に、 評価アルゴリズムの内部仕様を詳細に開示します。
エビデンスレベル判定基準(1〜5)
すべての成分は、ヒト試験の有無・論文の質・サンプル数を基準に エビデンスレベル 1〜5 で分類されます。判定は編集部が PMID 付きで個別に行い、ingredient_evidenceテーブルに保存されます。
判定基準:ヒト対象 RCT 複数本、またはメタ解析・系統的レビューでヒト有効性が確認
該当例:ナイアシンアミド(美白)、トラネキサム酸(肝斑)
判定基準:ヒト対象の臨床試験で有効性が確認されているが、メタ解析未実施
該当例:アゼライン酸、α-アルブチン
判定基準:皮膚モデル・動物試験で有効性が確認されているが、ヒト試験は限定的
該当例:セラミドNP、フィトステロール類
判定基準:細胞・酵素レベルで作用機序が確認されているが、生体への効果は未確認
該当例:EGF 類似ペプチド、植物エキスの一部
判定基準:化学構造からの推測・伝統的使用例のみ、現代的試験データなし
該当例:保湿目的の植物オイルの一部
判定の透明性
各成分の詳細ページ(例:/ingredients/ナイアシンアミド)で、判定根拠となった論文の PMID と概要を公開しています。
PubMed監修バッジ(PMID 5本以上)
成分ごとに引用している PubMed 査読論文が5本以上あるとき、その成分は「PubMed監修」バッジ対象として表示されます。皮膚科医・薬剤師の監修ではなく、 医療系一次論文(ヒト試験 / 機構研究 / 系統的レビュー等)を直接 データソースとした客観的なエビデンスベースの記述である、という 意味です。
※ 2026-05-12 にバッジ閾値を 3本以上 → 5本以上 に引き上げました。 配合数が多い主力成分(ナイアシンアミド・ヒアルロン酸Na・グリセリン ・トコフェロール・レチノール・グリチルリチン酸2K・サリチル酸・ セラミド系・トラネキサム酸・グリコール酸 等)はすべて5本以上の 引用を満たしています。
PPI 算出ロジック(詳細)
PPI は「成分の質 × 配合位置 × ロール」を上位 10 成分まで合計し、 理論上限値 117 で正規化することで 0〜100 のスコアを得ます。
基本式
PPI_core = Σ ( EvidenceLevel × 2 × P_pos × A_role ) (k = 1..10) PPI_final = PPI_core × ( 1 + FunctionScore / 100 × γ_form ) Display = round( PPI_core / 117 × 100 )
EvidenceLevel: 上記のレベル 1〜5P_pos: 配合位置係数(下記)A_role: ロール増幅係数(下記)γ_form: 剤型係数(化粧水: 0.8 / 美容液: 1.0 / クリーム: 1.1 等)
配合位置係数(P_pos)
| 配合順位 | 係数 | 意味 |
|---|---|---|
| 1〜5位 | 1.0 | 高濃度帯(推定 1%以上) |
| 6〜10位 | 0.7 | 中濃度帯(推定 0.1〜1%) |
| 11位以降 | 0.5 | 微量配合(推定 0.1%未満) |
※ 配合濃度はメーカー非公開のため、薬機法の全成分表示順(多い順)から推定しています。 医薬部外品では基剤と有効成分で順位ロジックが異なるため、専用の処理を適用。
ロール増幅係数(A_role)
×1.5
Hero Active
主役の有効成分。エビデンスレベル4以上を満たし、薬機法上の効能訴求の核
×1.0
Active
補助的な有効成分。複数配合されることで処方を補強
×1.0
Functional
機能成分(保湿剤・整肌剤等)。ベース処方の品質を支える
×0.7
Base
基剤・添加剤(水・界面活性剤・防腐剤等)。安定性確保
正規化定数 117 の根拠
分母 117 は「理論上の最高構成」での PPI_core 上限値です。 上位 5 成分すべてが「エビデンスレベル 5 × 配合位置係数 1.0 × ロール 1.5(Hero Active)」、 次の 5 成分が「レベル 4 × 0.7 × 1.0」とした場合の合計値に相当します。 この基準により、現実的な最高品質処方が 80〜100 点、 平均的な処方が 40〜60 点に収まる分布になります。
RVI 算出ロジック
RVI(Relative Value Index)は、同カテゴリ・同剤型内における単価(円/mL)の中央値と比較して、 該当製品の価格妥当性を 3 段階で評価します。
定義式
unit_price = price_jpy / volume_ml
ratio = unit_price / median( unit_price_group )
RVI = "割安" if ratio < 0.85
| "平均" if 0.85 <= ratio <= 1.15
| "割高" otherwise※ 中央値(median)を採用する理由: 平均値は外れ値(極端な高級品・激安品)の影響を強く受けるため、 製品分布の代表値として中央値の方が安定します。
カテゴリ内比較を徹底
化粧水とクリームを同じ円/mL で比較しても意味がないため、 RVI は「カテゴリ(化粧水・美容液・クリーム等)× 剤型」が一致する製品群でのみ計算されます。 単発製品(同カテゴリ内に他製品が無い場合)は RVI を算出せず「比較不能」と表示します。
FunctionScore(機能適性)
FunctionScore は「処方設計の機能的完成度」を 0〜100 で評価するサブ指標です。 PPI が成分の質を測るのに対し、FunctionScore は「保湿・抗炎症・美白・抗酸化」の 4 機能カテゴリで成分がバランス良く配合されているかを評価します。
計算ステップ
- 成分を「保湿 / 抗炎症 / 美白 / 抗酸化」の機能タグでラベリング
- 各機能カテゴリ内で、配合位置とエビデンスレベルから重み付け合計を算出
- 4 カテゴリのバランス(標準偏差)を補正項として加味
- 0〜100 にスケーリング
FunctionScore が高い処方は、特定機能に偏らず「複合機能で肌全体をサポートする設計」と解釈できます。
データソース(技術詳細)
再現性と検証
① 計算式の完全公開
PPI / RVI / FunctionScore のすべての計算式・係数・しきい値を本ページで公開しています。 同じ成分表があれば、誰でも同じスコアを再現可能です。
② エビデンスは PMID で追跡可能
すべての成分エビデンスは PMID(PubMed ID)に紐付けられ、 各成分詳細ページから一次論文を参照できます。
③ スコア改訂時はバージョン管理
係数・正規化定数を見直す場合、Git の commit と本ページの「最終更新日」で履歴を残します。 破壊的変更がある場合は、変更内容と影響範囲を明示します。
既知の限界
- 配合濃度の非公開:メーカーは正確な濃度を公開しないため、配合位置からの推定値を用いています。
- 医薬部外品の特殊性:医薬部外品は表示順が濃度を反映しないため、有効成分・基剤を別ロジックで評価しています。
- 個人差:PPI が高くても、肌質・アレルギー・使用目的により最適な製品は異なります。
- 最新製品の未収載:新発売直後は解析が間に合わない場合があります。リクエストはお問い合わせからどうぞ。
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最終更新日: 2026-05-11